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問題と解答

問題の種類:予想問題第157回用

問題.8888-1第1問仕訳

問題

1.仕訳問題
以下の仕訳から、簿記の取引内容を推定し、記述しなさい。なお、解答は「日本語」も用い、なるべく多くの人に理解して貰えるような表現にすること。
番号 借方   勘定科目名 金額   貸方   勘定科目名 金額
01     売上 72,000       売掛金 72,000
                   
02     当座預金 100,000       普通預金 100,000
      定期預金 2,000,000       普通預金 2,000,000
                   
03     前受金 200,000       売掛金 800,000
      貸倒損失 600,000          
                   
04     買掛金 250,000       支払手形 250,000
      通信費 500       現金 500,000
                   
05     土地 19,650,000       現金 400,000
                未払金 19,250,000
                   
06     旅費交通費 30,000       現金過不足 20,000
      雑損 8,000       受取手数料 18,000
                   
07     買掛金 500,000       売掛金 100,000
                当座預金 400,000
08     建物 16,000,000       普通預金 20,000,000
      修繕費 4,000,000          
                   
09     旅費交通費 11,250       未払金 16,250
      消耗品費 5,000          
                   
10     租税公課 500,000       当座預金 500,000
                   
11     旅費交通費 75,000       仮払金 50,000
                未払金 25,000
                   
12     貯蔵品 10,820       租税公課 10,000
                通信費 820
                   
13     前受金 600,000       売上 3,000,000
      売掛金 2,420,000       現金 20,000
                   
14     現金 7,600       売上 16,000
      受取商品券 10,000       仮受消費税 1,600
                   
15     売上 50,000,000       損益 50,000,000
                   
16     支払家賃 200,000       現金 800,000
      差入保証金 400,000          
      支払手数料 200,000          

 

解答

01解答案:得意先に販売した商品のうち60個(@1,200)が品違いのため返品され、掛代金から差し引くこととした。(第144回)
 解説:要は、¥72,000が返品されたのです。上記のような文言で出題されると、「仕訳」に必要な情報だけを整理する必要があります。
    ただ、折角ですから、この問題に対する、補助簿への記帳について考えましょう。
    商品有高帳、買掛金元帳、売上帳の3つに記載する必要があります。
02解答案:当座預金口座を開設し、普通預金口座から¥100,000を預け入れた。口座開設と同時に当座借越契約(限度額¥1,800,000)を締結し、その担保として普通預金口座から¥2,000,000を定期預金口座へ預け入れた。(第144回)
 解説:要は、普通預金口座から、当座預金口座へ¥100,000、定期預金口座へ¥2,000,000資金移動した、という事です。ただ、この出題の文言には大きな問題があります。それは、「口座開設と同時に当座借越契約を締結し、その担保として定期預金口座へ¥2,000,000云々」の部分です。口座開設、¥100,000の預け入れ、¥2,000,000の定期預金口座への預け入れが同時なら、貸方の「普通預金」は、1行で¥2,100,000の方が良いかもしれません。第144回の段階では、恐らく貸方1行の解答は誤解答とされたと思います。独善的であまり反省のない日本商工会議所ですが、この問題に関しては、あちこちから反論があったでしょうから、同じような出題は以後されていないと思います。(私が調べた限りでは出題されていません)。※この項、解答・解説(補足)に続く。
03解答案:得意先が倒産し、売掛金¥800,000のうち¥200,000はかねて注文を受けた際に受け取っていた手付金と相殺し、残額は貸倒として処理をした。(第144回)
 解説:売掛金が貸し倒れに遭ったときには、貸方に売掛金の総額を記入し、借方には、前受金、買掛金(相殺)、貸倒引当金、貸倒損失等が現れます。訓練しておきましょう。
04解答案:買掛金の支払いとして¥250,000の約束手形を振り出し、仕入先に対して送付した。なお、郵送代金¥500は、現金で支払った。(第144回)
 解説:自社振り出しの約束手形は「支払手形」、郵送代金は「通信費」。ただ、この時の勘定科目候補には、「受取手形」も「支払手数料」もありませんでした。
05解答案:営業用の土地550㎡を、1㎡あたり¥35,000で購入した。この土地の購入手数料¥400,000は現金で仲介業者に支払い、土地の代金は後日支払うこととした。(第145回)
 解説:550×35,000の計算、付随費用の固定資産取得原価への算入、後日支払うのは「未払金」
06解答案:決算日において、過日借方に計上していた現金過不足¥20,000の原因を改めて調査した結果、旅費交通費¥30,000、受取手数料¥18,000の記入漏れが判明した。残額は原因が不明であったので、雑益または雑損として処理をする。
 解説:何回も申し上げます。現金の実際有り高が帳簿の残高より少ない場合には、「帳簿残高を減らすために」、貸方「現金¥20,000」、借方「現金過不足¥20,000」と仕訳します。したがって、現金過不足勘定の残高が借方にある、という事は、そもそも現金が足りなかったのです。そこで、その先は、「雑損」に振り替えるのが普通です。
07解答案:本日、仙台商店に対する買掛金¥500,000および売掛金¥100,000の決済日につき、仙台商店の了承を得て両者を相殺処理するとともに、買掛金の超過分¥400,000は小切手を振り出して支払った。(第150回)
 解説:売掛金と買掛金を相殺する問題は、5回に1回くらい出題されています。慣れておきましょう。
08解答案:建物の改築と修繕を行い、代金¥20,000,000を普通預金口座から支払った。うち建物の資産価値を高める支出(資本的支出)は¥16,000,000であり、建物の現状を維持するための支出(収益的支出)は、¥4,000,000である。(第150回)
 解説:修繕費のイメージ。一昨年の夏、台風で千葉県内の建物が甚大な被害を受けました。あの被害を元に戻す費用は、全額修繕費として処理します。
    改築のイメージ:修繕するついでに、避難階段を外付けした場合、金額が少なくても、「建物」勘定に加算します。
09解答案:従業員が業務のために立て替えて1か月分の諸経費は次の通りであった。そこで、来月の給料に含めて従業員に支払うこととし、未払金として計上した。(第151回)
     電車代 ¥6,750  タクシー代 ¥4,500  書籍代(消耗品費) ¥5,000
 解説:この問題を正解できなかった受験生がいるのかどうか。電車代とタクシー代が「旅費交通費」で、未払金は貸方に出る、という事がわかれば、あとは全部出題文で解答されています。
 なお、第154回に、ICカードを用いた仮払金制度が出題されています。慣れておきましょう。
10解答案:建物および土地の固定資産税¥500,000の納付書を受け取り、未払金に計上することなく、ただちに当座預金口座から振り込んで納付した。
 解説:「租税公課」として処理する税金類は、収入印紙代と固定資産税だけ、と覚えておきましょう。
     その他の、法人税等(法人税、事業税、法人住民税)、仮受消費税、仮払消費税、未払消費税は、「租税公課」には含まれません。
     「不動産取得税」なるものが出題されたら、それは、固定資産の取得原価に含めて処理してください。
11解答案:従業員が出張から帰社し、旅費の精算を行ったところ、あらかじめ概算額で仮払していた¥50,000では足りず、不足額¥25,000を従業員が立て替えていた。なお、この不足額は次の給料支払い時に従業員に支払うため、未払金として計上した。(第152回)
 解説:旅費交通費等の「仮払金」の精算手順。まず、仮払した金額を貸方に書く。もちろん勘定科目名は「仮払金」。次に、借方に、支出した旅費交通費や消耗品費、福利厚生費(社員に対するお土産)、交際費(得意先へのお土産)等を書く。借方・貸方を合計し、その差額を金額の少ない方に書き、少ないのが借方なら、「現金」(戻り)、貸方なら、「現金」か「未払金」。
12解答案:収入印紙¥30,000、郵便切手¥3,000を購入していずれも費用として処理をしていたが、決算日に収入印紙¥10,000、郵便切手¥820が未使用であることが判明したため、これらを貯蔵品勘定に振り替えることとした。(第153回)
 解説:第152回までは、「消耗品」に振り替えていましたが、日商簿記3級の試験の試験範囲の若干の修正があり、期末の未使用の「貯蔵品」がある場合には、というのが含まれました。早速出題されました。ただ、「貯蔵品勘定に振り替えることとした」と親切に出題されましたね。以下蛇足は、解答・解説(補足)欄へ。
13解答案:以前注文を受けていた商品¥3,000,000を引き渡し、受注したときに手付金として受け取っていた¥600,000を差し引いた金額を掛けとした。また、先方負担の発送費¥20,000を現金で支払い、これを売掛金に含めることとした。
 解説:「前受金」と「先方負担の発送費」がポイントです。この問題を何回も解くと、売上発生時の処理が正確にできるようになります。売上に対する発送費は、通常、売り手が負担します。ただ、特急運賃や離島への運賃は、買い手が負担します。この出題では、離島(例えば八丈島)への売り上げだと解釈してください。
14解答案:商品¥16,000を売り上げ、消費税¥1,600を含めた合計額のうち¥7,600は現金で受け取り、残額は共通商品券を受け取った。なお、消費税は税抜き方式で記帳する。
 解説:ついに出ました!消費税。売上または仕入時の消費税の処理はこの例題のように処理します。訓練しておきましょう。
    仕入時の仕訳例を示します。
    借方  仕入    1,000,000   貸方  買掛金  1,100,000
        仮払消費税  100,000


 

 

解説・補足

※日本商工会議所の独善的閉鎖的な例を1つ、記します。
30年前ごろ、日商簿記1級の試験で、「積送品」に関する問題が2度出題され、その標準解答が誤っていました。
私は当時、過去問を調べ、その標準解答が誤っていることに気づきました。しかし、誰も(大学の会計学担当教授や公認会計士等)指摘なさらないので、もし自分が受ける試験に「積送品」が出題されたら、どちらの解答(客観的に正しい解答か、日本商工会議所が正しいとしている解答か)をするべきか悩んでいました。幸い、6回の受験で一度も「積送品」は出題されませんでした。その数年後、ある公認会計士に、「簿記1級の積送品の標準解答、間違っていますよね」と聞いたところ、「はい、間違っています。日本商工会議所と喧嘩しても1銭にもならないので黙っています。とのことでした。
蛇足:第153回から日商簿記3級の試験の出題者が変わったようです。第152回までの出題者のような幼稚な文章ではなく、きちんとした会計用語を使用しております。格調高い出題に期待しましょう。