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問題と解答

問題の種類:仕訳

問題.156-1-5第156回第1問の5

問題

従業員が出張から戻り、下記の報告書及び領収書を提出したので、本日全額を費用として処理した。旅費交通費等報告書記載の金額は、その全額を従業員が立て替えて支払っており、月末に従業員に支払うこととした。なお、電車運賃は領収書なしでも費用計上することにしている。(※「下記報告書」は省略しますが、電車賃¥2,800とホテル宿泊代¥9,000で、ホテル宿泊代の領収書が添付されています)

解答

解答
借方  旅費交通費  11,800  貸方  未払金  11,800
解説
日商簿記3級不合格の方は、この問題にかなりてこずったと推測します。
「従業員立替金」をどこに記載するのか、とか、ホテル宿泊代と電車運賃とは勘定科目が異なるのではないかとか、迷ったのではありませんか?
受験生がちゃんと理解しているかどうかを試すための良問です。
皆さんが今受験している日商簿記3級は、「企業会計」であって、個人の家計簿会計ではありません。このことを常に頭に入れておきましょう。
ポイントは、出題文の「本日全額を費用として処理した」という文言です。
全額¥11,800を費用として処理をするためには、勘定科目が必要です。提示された25個の勘定科目候補の中に「旅費交通費」というのがあります。ほかには適当なものがないので、費用の勘定科目は「旅費交通費」としましょう。
(出題文の中に「旅費交通費等報告書」という文言もあります)
では、旅費交通費を借方に記載するか、貸方に記載するか、どちらでしょう。
「費用の発生は借方」と瞬時に処理できる方は、その方法でOKです。あやふやな方は、費用を支払うときには通常現金が減少する、現金が減少する際には現金勘定の貸方に記載する、そこで、費用発生は借方に記載する、という手順をふんで正解にたどり着くのも一法です。
では、残りの貸方の勘定科目は何でしょう。
旅費交通費の精算は、通常、その場で現金を支払います。しかし、この出題では、「月末に支払うこととした」となっていますから、「まだ支払っていない」という「未払金」勘定で処理します。
※下記補足をぜひご参照ください。


 

解説・補足

勘定科目の正確な意味
従業員立替金:「企業が」従業員のために立て替えた金額。先に現金(通常)が出て、あとで取り返します。
  実務上よく発生するのは次のようなものです。営業員が外出中に代金引換の荷物が会社宛てに届き、会社が立て替え
  て支払う。 その代金は、営業員が帰社次第取り立てるか、次回の給料から天引きするか、会社によって異なりま
  す。
旅費交通費:電車等の運賃が交通費で、ホテル等の宿泊代が旅費、です。両者を分けて処理することは皆無でしょう。
未払金:主たる業務以外から生じた金銭債務。主たる業務から生じた金銭債務は「買掛金」勘定で処理します。