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問題と解答

問題の種類:仕訳

問題.156-1-1第156回復習第1問の1

問題

(候補勘定科目名は省略します。皆さんが受験なさった問題用紙か、皆さんがお持ちの参考書を参照してください。なお、「TAC」からは、第156回分が載った過去問集が発売されています。私は、それを参考にして、この解説を行います)
1.営業に用いている建物の改良・修繕を行い、代金¥8,000,000を、小切手を振り出して支払った。
 支払額のうち¥5,500,000は建物の価値を高める資本的支出であり、残額は機能維持のための収益的支出である。

解答

解答
借方  建 物  5,500,000      貸方  当座預金  8,000,000
    修繕費  2,500,000
解説
この問題の、どこを誤解答なさいましたか?(正解なさった方は、この解説を読み飛ばしてください)
1.借方に当座預金¥8,000,000と解答なさった方:当講座の最初の問題を飽きるまで復習してください。
 当座預金が減少する取引は、当座預金の貸方に記録します。
2.「建物」と「修繕費」との区別がつかなかった方:
 出題文に記述されている通り、「建物の価値を増加させる取引」は、「建物」勘定で仕訳します。
 実務上は、「建物の価値を増加させる取引かどうか」が問題になります(特に税務上)。
 例としてよく出されるのが、「雨漏りの修繕を依頼したついでに、非常階段を外付けしてもらった」というもので 
 す。この場合は、「雨漏りの修繕」は修繕費、外付け非常階段は建物、です。
 「建物の価値を増加させる取引」例を挙げます。
 耐震補強工事(耐用年数が延長されます)。内装工事をして部屋数を増加する。業種転換のために模様替えをする。
 等々です。
3.計算間違い(8,000,000-5,500,000)をした方:30万人も受験なさるので、この問題の引き算を間違えた方も、中に
 は いらっしゃるでしょう。その方は、悲観なさることはありません。次回から、正確に計算しましょう。
 ただ、この出題文には問題があります。ものの順番として、業者に工事を依頼する際には、建物の価値を増加する工
 事に¥5,500,000、修繕する工事に¥2,500,000、合計¥8,000,000というのが道理です。
 したがって、出題文は、「資本的支出として¥5,500,000、収益的支出として¥2,500,000、合計額を小切手を振り出
 して支払った」とするべきでしょう。
4.「小切手を振り出して支払った」が「当座預金」に結びつかなかった方:勉強が足りません。もう一度参考書を読み
 直してください。ただ、最近は「小切手を振り出す」行為は激減しています。インターネットバンキングによる送金
 が大部分でしょう。経理実務をなさっている方の方がこの「小切手を振り出す」という文言は難しいかもしれません
 ね。
 預金の残高減少に関して、当座預金は「小切手を振り出す」ことで減少し、普通預金は「普通預金より支払う」こと
 により減少します。ただ、実務上は、当座預金口座を用いたインターネットバンキングは可能ですから、「当座預金
 より給料を支払う」ことは十分に可能で、一般的に行われています。
 
  

解説・補足

蛇足?1
出題文の最初に「営業に用いている」という文言があります。
この文言は通常の出題文にはないと思います。ただし、会計上「費用」というのは、収益を上げるための「必要悪」と定義されています。そこで、皆さんが簿記を学習する際の費用科目の総ては、収益を上げるための必要悪です。
ここで少し考えましょう。「給料」も費用ですから、「必要悪」なのでしょうか?はい、会計上は必要悪です。ただ、給料を支払う先が人間ですから、モチベーションとの関連があります。給料がすくないほとよい、とは一概には言えませんね。
さらにもう一つ、「営業に用いていない例」を挙げます。
社長の愛人のマンションの家賃、これは、企業の「地代家賃」として処理をしてはいけません。
もし、企業が支払っていれば、「立替金」として処理をし、社長の給料から天引きをするべきでしょう。
蛇足?2
この出題の「建物の価値を高める資本的支出の¥5,500,000」の耐用年数は何年でしょう?
元の建物の耐用年数と同じ年数か、元の建物の償却未経過年数と同じか、別の耐用年数か、疑問を感じます。
簿記の出題では、必ず耐用年数が示されますから、問題はありません。実務上は、所轄税務署にお問い合わせください。