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問題と解答

問題の種類:基礎

問題.111114第3問

問題

添付するエクセルシートに記載された、「小口現金出納帳」の5月分を、「4月分に倣って(ならって)」締め切りなさい。
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解答

 解答は、添付のエクセルシートにある、「解答」をご参照ください。 
 補助勘定元帳に関しては、日商簿記3級の出題者が、実務とは乖離した(かけ離れた)約束事を勝手に決めているので、もし、皆さんが経理の実務経験があると、疑問に思う点が多々あることでしょう。
 その好例として、「小口現金出納帳」として出題される様式には、毎日の残高欄が通常はありません。
 実務としては、現金や小口現金は、毎日、帳簿残高と実際有りとを照合します。食い違いがあれば、「現金過不足」勘定で処理します。
 だから、両帳簿には、必ず残価欄があります。
 上記のような理由で、出題には「4月分に倣って」解答しなさい、という文言を入れました。
 まず、「小口現金出納帳」の存在理由を述べます。
 皆さんは、なぜ「小口現金出納帳」に勘定科目が記入されていないのか、疑問に思ったことはありませんか。
 摘要欄に「収入印紙」と記載しながら、それを「租税公課」欄に転記していないのは、なぜでしょうか?
 その理由は、小口現金出納帳の担当者が簿記の知識を持っていないからです。
 では、なぜ、簿記上の勘定科目も理解していない人を、小口現金出納帳の担当者にするのでしょうか。
 それは、人件費の高騰を防ぐためです。
 想像してください。例えば、「東芝」ビルに入っている東芝の人が経費精算をする状況を。
 何万人という人が、毎日経費精算をすると、何百人という小口現金出納帳担当者が必要となります。
 この人たち全員に、簿記2級以上を要求すると、人件費が上がります。
 そこで、小口現金出納帳の担当者には、簿記の知識を要求せずに、真面目な人ならOKです、ということになった、と理解してください。(一部私個人の感想も入っています)
 だから、皆さんが小口現金出納帳に関する問題を解く場合には、「さぁ、私の出番だ!」と思いながら、挑戦してください。

 次に、補助簿の締め切りは、「絶対にこれでなければならない」という取り決めは多くはありません。
 その中で、、類書で比較的指摘されることが少ない事柄を記します。
①帳簿類には、「実線」が1行ずつ引かれることはありません。目印としては、破線(点線)が引かれています。
②「実線」があったら、それから上を「計算しなさい」という命令です。計算は必ずしも足し算ではなく、引き算の場合もあります。ただし、掛け算、割り算はありません。帳簿の締め切り時の実線は、足し算だと思って大丈夫でしょう。( 「補足」欄に、実線が引き算をする、という意味を持つ例を示します。)
③二重線があれば、その上の数値は、「合計」です。
④次月繰越、または、次期繰越の処理に関しては、算数や数学的な考えで、「残高欄の金額をそのまま繰り越す」ということは、「絶対にしない」と思ってください。
 必ず、次期繰越額を支出欄に記入し、収入欄に記入された前期繰越額も考慮し、収入欄と支出欄の当期または当月の合計金額が一致するよう、留意してください。
 この作業は、「理解」ではなく、「訓練」です。
 ※上記の「収入欄」と「支出欄」を「借方」と「貸方」に読み替えると、すべての帳簿の締め切りに応用ができます。
 ※「福利厚生費」という勘定科目について:過去問においては、茶菓子代は「雑費」という勘定科目です。
 しかし、「法定福利費」という勘定科目が3級で出題されるので、「法定」でない福利費には、どんなものがあるのか、ということと、税務上、「雑費」は嫌われますから、「福利厚生費」という勘定科目には、慣れておいた方が良いと思います。福利厚生費に属するものは、忘年会費、歓迎会費、家賃補助などです。

解説・補足

実線が足し算、引き算の両方を表し、読み手がそれを解読しなければならない例。)
決算報告書の中、損益計算書。
  純売上高                                           235,000,000
  売上原価                                           200,000,000 (引き算)
  売上総利益                                         35,000,000
  販売費及び一般管理費                   30,000,000 (引き算)
  営業利益                                                5,000,000
  営業外収益                                               125,000 (足し算)
  営業外費用                                                  25,000 (引き算)
  経常利益                                                5,100,000
  固定資産売却益                                       210,000 (足し算)
  固定資産売却損                                       110,000 (引き算)
  税引き前当期純利益                          5,200,000
  法人税等                                                1,700,000 (引き算)
  当期純利益                                            3,500,000  ※(二重線が引けないので、実線にしています。ここには二重線が
                         通常ひかれます。この場合の二重線は、「合計」という意味で
                         はなく、「これで終わり」という意味を持ちます。)